今年の5月、久しぶりに映画を観に行った。タイトルは"戦場のアリア(原題:Joyeux Noel)"というフランス映画だ。このところ興味のある映画がほとんどなく、前回見に行ったのが"Road To Perdition"だったから4年ぐらい行かなかったことになる。
映画の舞台は1914年冬のフランス。第一次世界大戦の西部戦線でフランス・スコットランド連合軍とドイツ軍が対峙している最前線。指導者の予想ではその年のクリスマスまでには戦争は終わるはずだった。しかし今までの戦争と勝手が違い、国家総力戦となり、泥沼化している戦争で兵士の気持ちを少しでも高揚しようと自国よりそれぞれクリスマスの補給物資が到着した。
イブの夜、スコットランドの兵士がバグパイプで"I'm Dreaming of Home"を吹き始めた。全員がそれに合わせて歌いだす。もちろんウィスキーを飲みながら。
それを聞いたドイツ軍の一兵士として招集されていたテノール歌手がこちらもやろうと"きよしこの夜"を歌い始める。それを聞いたスコットランド兵はその歌に合わせてバグパイプを吹き出した。
するとドイツ軍の兵士が塹壕から上がってきて敵であるスコットランドの陣地へ歩み寄る。その時にはスコットランド兵たちは塹壕から出てきて酒を飲んでいる。
それがきっかけとなり各国の司令官が集まりクリスマスの休戦が実現された。各国の兵士達は自国の酒、フランスはシャンパン、ドイツはワイン、スコットランドはウィスキーを手に中間地点へ集まり、皆で飲み始める。言葉は通じなくとも故郷を離れ、同じ境遇の人間同士理解しあえる事はいくらでもある。
やがて別れの時、ドイツ兵を見送るスコットランド兵はバグパイプで"Auld Lang Syne"を演奏し、再会を願う。でも彼らには過酷な運命が待っていた・・・
この映画は1914年のクリスマスに起こった実話を元にしているという。結局、各国の指導者がいくら自国の正義のため、敵を倒せと国民を戦場に駆り立てても、現場の人間は殺し合いをしたくない。そんな気持ちが自主的な休戦となったのだろう。そしていい酒と音楽に国境はない。そこに人間同士のコミュニケーションの原点があるような気がする。
"ダヴィンチ・コード"と重なったのでそれ程話題にならなかったが私は素晴らしい作品だと思う。DVDが発売されたら買おうと思っていた。DVDの発売もまた"ダヴィンチ・コード"と一緒で11月の初旬だった。
さっそくウィスキーを片手に見た。"I'm Dreaming of Home"のフレーズが印象的だ。いい映画は何度見てもいい。これから年末に向けて休みも多くから何度か見るだろう。でも今週末は"Brave Heart"でも見ようかな。ウィスキーと一緒に。
Slainte!
Copyright (C) 2001-2006 バッカス石垣 All rights reserved